顧客を相手にするビジネスには、クレームが付き物です。理不尽なクレームに悩まされることも少なくありません。しかし、第三者が客観的な視点から見て感じたことを受け止める機会は貴重です。ビジネスの運営側の人間が、自分の一方的な思いだけで顧客サービスを行っていたら、独善的な運営になり、集客力を維持できないでしょう。クレームも、単なる嫌がらせやストレス発散目的であればあまり参考にならない面もあるのですが、クレームの内容によっては、見過ごせない重要なメッセージを含むものもあると言えます。したがって、クレーム入れに来た相手の態度により、クレーム処理の対応を変えてはいけません。高圧的な態度の顧客から寄せられたクレームに、注視すべきポイントが含まれることも少なくないのです。怒りの感情に囚われた顧客のクレームに対しては、まず冷静になって重要な情報をきちんと伝えてもらえるよう、相手の気持ちが収まるのを待ちましょう。一般的に、人は激昂しても怒りが1分以上継続することがないので、相手の意見を否定せず、しばらく聴いていれば、やがて顧客は落ち着いてきます。また、サービス提供者に重大なミスや悪意が無かったとしても、顧客を不愉快にさせる事項は多いものです。顧客への声かけは大切ですが、過度な干渉と受け止められると、クレームの対象になるため注意しましょう。特に、来訪者に名前を確認する場合は、不審者扱いされたとクレームされやすいことから、慎重な対応が欠かせません。